一枚の白い紙、untitled 1
今日の空気はふわふわとけだるく、薄いベージュのオーガンジーの布があたり一面に干してあるみたいだった。こういった日はとても黄色い花がきれいに咲いている。
薄いピンクの一番美しかったときを過ぎてしまいもうほとんど白色に近いバラの花もいい。
そんなことを考えながら千夏(ちか)はペダルを踏む。
幸太郎は心地よい薄暗さの美術室にいた。
美術室は分棟の4階にあり、その場所はまるでほかの場所と引き離されているみたいに
みえる。
世界からも分けられて、ぽつんとそこにあるみたいに。
窓の外を眺めるとそこにはグラウンドがみえ、サッカー部が見え、サッカーボールがみえ、
住宅街がみえ、同じクラスの友達がみえ、電気屋さんがみえる。
ほかにもいろいろなささいで大切ないろいろがそこからは眺めることが出来る。
4階だからだいたいなんでも見渡せた。
でもそれらは妙に現実味を欠いていて、こことそこは違う世界で、美術室とそのほかは混ざり合うことがないように思える。それはたとえて言うなら、マーブリングみたいだ。色と色の液を水を張ったバットにたらして水を指でなでる、すると「色と色」の2色で混ざり合っていく。しかしその2色の「色と色」は混ざり合い最後に1つになったりはしない。永遠にひとつの色にはならずに、色と色という永遠に2つの違ったものとしてそれぞれを手放すことなく戯れていく。
下の階から聞こえてくる吹奏楽部の練習の音が、かろうじてそこがとりあえず美術室であり、学校の一部であり、同時にまた世界の中の一部なのだとゆうことを確認させてくれていた。
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